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接待行為により従業員が逮捕される!?

 最近、ガールズバー・ボーイズバー・コンカフェなどで接待をしたとして風俗営業法違反(無許可営業)で経営者などが逮捕されるというニュースが相次いでおります。

 そこで、経営者以外である接待をした従業員が逮捕されるのか?について記事にしています。


本題に入る前に少し風営法について簡単に解説をしたいと思います。


①風営法では「接待」をするには風営法第2条第1項第1号の許可(社交飲食・料理店)を得る必要があります。

この許可は、いわゆる「キャバクラ」「ホストクラブ」などのお客さんに対して接待をする営業形態を行うためのものとして風営法で規定されております。

 つまり、この許可を得ずに接待を行うと、上記許可の無許可営業として2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処せられる事となります。


②この許可を取得するデメリットとして営業時間が制限されます。

 特定の地域(風営条例に規定 「例えば中洲など」)以外の地域では夜0時から朝6時までの営業が風営法により禁止されております。

 そこで、「お酒をメインに提供する」+「夜0時から朝6時の間も営業する」として深夜酒類提供飲食(以下、「深酒」という。)という風営法に基づいた届出を行う営業者がいます。

 ただし、この深酒は上記の「お酒メイン」+「深夜営業」を行うための許可みたいなものであり、接待を行う為の許可では無いので、深酒の届出で接待を行うと無許可営業となります。

※深酒の届出をして営業している形態としては「ガールズバー」「ボーイズバー」などがあります。


③次に「接待」とは具体的にどのような行為をいうのか話ます。

風営法第2条第3項に「接待とは、歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と定義されています。

 

 では、具体的な内容のうち代表例を以下で示します。


(1)「談笑・お酌等」

・特定少数の客の近くにはべり、継続して、談笑の相手となったり、酒等の飲食物を提供したりする行為→接待に当たる

・お酌をしたり水割りを作ったりして速やかに、その場から離れる→接待に当たらない

・単に社交儀礼上の挨拶や若干の世間話をする行為→接待に当たらない


(2)「歌唱等」

・特定少数の客の近くにはべり、その客に対し歌うことを勧奨する事→接待に当たる

・特定少数の客の歌に手拍子・拍手・褒める・一緒に歌う事→接待に当たる

・上記2点の場合で「不特定多数の客」の場合→接待に当たらない

・客からの依頼を受けてカラオケの準備をする行為→接待に当たらない


(3)「遊戯等」

・特定少数の客と共に、遊戯、ゲーム、競技等を行う行為→接待に当たる

・客一人で又は客同士で上記遊戯等を行う場合→直ちに接待に当たるとは言えない


(4)「その他」

・客と身体を密着させる行為→接待に当たる

・客と手を握る行為→接待に当たる

・客の身体に接触する行為→接待に当たる

・客の口許まで飲食物を差し出し、客に飲食させる行為→接待に当たる

・社交儀礼上の握手→接待に当たらない

・酔客の介抱で接触する行為→接待に当たらない


以上、これらの風営法の知識を知っていただいて本題へと入ります。


「本題 風営法違反で従業員が逮捕されるのか??」

最近、歌舞伎町でアプリを用いて客と知り合い、待ち合わせをし、自らが従事するガールズバーに誘導した上で、接待をするなどして、ぼったくりをした事で発覚し風営法違反(無許可営業)で従業員が逮捕された事件がありました。


 つまり、風営法第2条第1項第1号の許可を取得していない店舗で、接待をした従業員が逮捕される事はあり得るということです。

 

※なお、ぼったくりだから等の場合は、ぼったくり禁止条例等の適用となりますので、今回の事件では従業員がした接待により風営法違反(無許可営業)で従業員が逮捕されたとういう点に重点をおいております。

 

 そして、そんな法律があるとは知らなかったや風営法でそんな規定があったのは知らなかった等という言い訳で逮捕等から免れる事はできません(刑法第38条第3項)。

 単に刑が減刑される事が、ある場合がある程度です。


「参考 刑法第38条第3項(故意)」

 法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を軽減することができる


さらに風営法第56条により従業員の違法行為により名義人(法人・個人)に対して罰金刑を科する事となっております。


「参考 風営法第56条(両罰規定)」

 法人の代表者、法人又は人の代理人、使用人その他の従業者が法人又は人の営業に関し、第49条、第50条第1項又は第52条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、各本条の罰金刑を科する。


ちなみに無許可営業で接待をした場合は、風営法第49条第1号によります。


上記の通り、無許可営業により接待等をする事で従業員等の接待をした者が逮捕される場合は、風営法上では当然にあり得る事となります。


さいごに、、 

風俗業に従事していた経験のある行政書士らの風俗営業専門の事務所である行政書士 風営法務共同事務所では、、

 「現在、働いている又は働こうとしている店が適切な許可等を得て営業しているのか?」「どこまでが接待に当たるのか?」等の個別のご相談を随時行っております。


他にも風俗業界に関するご相談も対応可能です。


さいごまで、お読み頂き、ありがとうございました。

 


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